マラソンにおけるインターバル走の効果・やり方・メニューとは

【オススメ対象者】

1.マラソンが速くなりたい人

2.マラソンのコーチを目指している人

3.速くなるために効果的なトレーニングが知りたい人

マラソンのトレーニング方法には様々な種類がありますが、その中でも「走力を効率よく底上げしたいランナーに欠かせないのがインターバル走」です。

「きつい練習」というイメージが先行しがちですが、目的やレベルに合わせて正しく取り入れることで、スピード・心肺機能・レースペースの余裕度を大きく向上させることができます。

一方で以下のような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?

「インターバル走はマラソンに本当に必要?」

「どれくらいの速さで、何本やればいいの?」

この記事ではマラソンにおけるインターバル走の効果をはじめ、基本的なやり方や考え方具体的なメニュー例まで分かりやすく解説します。

自己ベスト更新を狙いたい方はもちろん、走力の伸び悩みを感じている方も、ぜひ参考にして下さい。

結論

1.インターバル走は全力に近いペースと緩く走るを断続的に繰り返すトレーニング

2.高い心拍数を維持し、心肺機能を上げる効果が期待出来る

3.全力に近いペースと休憩の割合は2:1または3:1が目安

4.初心者は短い時間から始めてみる

インターバルとは日本語で「間隔」を意味します。インターバル走とは間隔を空けて行うトレーニングのことを言い、「激しい運動」と「ゆるい運動」を断続的に繰り返すトレーニングです。

イージーラン・ペース走・テンポ走・閾値走は乳酸が蓄積しないペースで走っていました。しかし、インターバル走は閾値走よりも、さらに速く走るため身体に乳酸が蓄積してきます。乳酸が蓄積してくるため、いずれ身体は疲労で動かなくなってくるため休憩が必要です。

息が乱れるくらい速く走ることで心拍数をほぼ最大値まで上げることができます。しかし、乳酸によりその運動は持続出来なくなってくるため、いずれはペースを落ちてしまいます。そして、十分に休憩できたら再び息が乱れるくらい速く走ることを繰り返すことで高い心拍数を維持することが目的であり、様々な効果が期待できます。

走(かける)
走(かける)

インターバル走の目的は高い心拍数を維持することです。

休憩時間が長いと心拍数が下がり切ってしまうため、「全力に近い時間は長く」・「ゆるく走る時間は短く」が基本です。

VO2max」は”体重1kgあたりに1分間で取り込める酸素の量”のことを言います。インターバル走は息が激しく乱れるくらい速いペースで走り、心拍数はほぼ最大値まで上がります。その結果、「より多くの酸素を吸い込むために呼吸筋の強化」・「吸った酸素をより速く筋肉に送り届けるために心臓の強化」が期待できます。

つまり、呼吸筋・心臓の強化により、より多くの酸素を身体に取り込むことが出来るようになります。このVO2maxの強化により、多くの酸素をエネルギーとして活用することで有酸素運動能力が上がり、より速いペースが維持出来るようになります。

端的に言うと、VO2maxとはマラソンランナーにおける”戦闘力”のようなものであり、インターバル走はマラソンにおける戦闘力を高めるトレーニングです。インターバル走はこのVO2maxを向上させる効果が期待でき、より強くて速いランナーになることができます。

走(かける)
走(かける)

VO2maxは自身の有酸素能力の1つの指標です。

インターバル走はこのVO2maxを飛躍的に伸ばす効果が期待できます。

インターバル走は走るペースが速いため身体で乳酸が生じます。乳酸はエネルギー生成として再活用できますが、エネルギーを生成するには効率が悪いのが特徴です。そのため、生じた乳酸が多いと処理しきれずに身体で蓄積していき、疲労でやがてペースが落ちてきます。

乳酸が蓄積していくポイントLT(乳酸性作業閾値)と言います。

乳酸が溜まると筋肉の収縮が阻害され、疲労感や痛みを感じやすくなるため走るペースは自然と落ちていきます。インターバル走はこの乳酸を再びエネルギー生成として処理する能力が上がるため、より効率良く乳酸を処理することが可能になり、速いペースが維持出来るようになります。

心肺機能の向上・乳酸処理能力の向上だけでは、速く走ることが出来るというわけではありません。速く走るには、速く走るフォームを維持することが必要であり、筋肉の高い出力を維持するための筋力も必要になります。

インターバル走は実際に速いスピードで走るため、速いフォームを維持する筋力を鍛えるのに有効です。

改めてインターバルトレーニングとは、激しい運動と休憩を断続的に繰り返すトレーニングです。そのため、インターバルト走は、「疾走区間:速く走る」⇔「休憩:ジョグまたは歩く」を交互に繰り返す運動です。

疾走区間で心肺機能に負担をかけて乳酸を蓄積していき、ジョグまたは歩く区間で筋肉を回復させるます。ある程度筋肉が回復すれば、再び疾走区間に入ります。この繰り返しで高い心拍数を維持し、心肺機能の向上と乳酸処理能力向上を同時に図ります。

インターバル走は最大心拍数の93~100%まで心拍数を上げることで、VO2maxを鍛えることが出来ます。

インターバル走の時間

完全に休憩した状態から最大心拍数に到達するまでには90~120秒かかると言われており、インターバルトレーニングの開始は3~5分かけるのが適正であるとされています。

インターバル走の休憩時間

そして、休憩では完全に心拍数が元に戻らない内に疾走区間を始めることがポイントです。やや心拍数が高い状態で疾走を始めることでVO2maxが鍛えられます。

インターバル走の2回目・3回目のポイント

インターバル走は2回目・3回目と回数を重ねていくにつれて、最大心拍数に到達するまでの時間も短くなっていくため、休憩時間を短く保つ場合は3~5分よりも短くしても問題ないとされています。

初心者の場合、まずは短い距離から始め、身体に慣れさせることが大切です。「ややきつい」と感じる程度のペースで疾走区間を走り、休憩期間では呼吸を整えながらゆっくりと走り続けます。インターバル走は初心者の場合は負担が強いため、疾走区間と同等以上の休憩時間を取ることをオススメします。

インターバルトレーニングで走る速度は「VDOT Calculator」というアプリから算出することをオススメします。VDOTは自己ベストのタイムを打ち込むことで自身の走るペースとトレーニング強度を示してくれる優秀なアプリです。

自己ベストは10キロ走としていますが、フルマラソン・ハーフマラソン・15キロ・10キロ・1500mなど数多くの中から選択し、記録を打ち込むことで適切なペースを示してくれます。しかし、Vdot Calculatorで自己ベストを入力する際は、ハーフマラソンのタイムを使用することを推奨されているようです。

走かける()
走かける()

「VDOT Calculator」は無料でインストールできるアプリで非常にオススメです。

VDOTではインターバル走の距離に対する時間が示されています。

VO2maxを高めたい場合は、1回目にインターバル走で心拍数をほぼ最大値まで上昇させるためには3分以上必要なため、上の例では800m以上走るとよいということになります。

しかし、800m未満はインターバル走として効果がないわけではありません。短い距離ではVO2maxの強化よりも、スピード強化が期待できるため、スピードを強化したいのであれば200~600mの距離を繰り返すと良いかと思われます。

休憩時間は走った時間の1/3~1/2を目安にすると良いと言われています。

【目安】

・400m以下のような3分以下で行うショートインターバル:10本

・800mのような3分程度で行うミドルトレーニング:8本前後

・1200mのような5分程度で行うロングトレーニング:5本

短い距離では本数を多くし、1回で走る時間が長くなればなるほど本数は減らしていきましょう。しかし、あくまで目安です。初心者ランナーは本数を少なくしオーバーワークによる故障を防ぎましょう!

【マラソン大会で成績を残したい人へ】走るペースとトレーング効果について

最新のランニング・トレーニング本であり、体力向上やレース結果にこだわりたい人トレーニング理論とプログラムを提供します。中距離の800mからフルマラソン、トライアスロンまで持久系スポーツを幅広く対応し効率的なトレーニングを知ることが出来ます。VDOTにより自身の能力や目標に対してどのような練習をすれば良いのか分かりやすく多くのランナーのバイブルになっています。

筑波大でランニングの研究をしている著者が、楽に走るためのフォームやウォーミングなど独自のテクニックを紹介している書籍です。記録にこだわるランナー向け新しいランニングの知識を提供し、ランニングの視野を広げてくれる書籍といえます。速く・楽に走るためのテクニックの参考になると思います。

初心者ランナー正しいフォームで走り、ダイエットを成功させる基本を解説しています。ダイエット目的としていますが、30代女性ランナーが指導を受けながら成長するストーリーを通じて、フォーム・トレーニング方法、セルフケアを学ぶことが出来ます。初フルマラソンに挑む初心者ランナーや故障に挑むランナーの事例も紹介され、特に初心者ランナー向けの内容になっています。漫画とイラストを使い、事前知識のないランナーでも分かりやすいため、最初の1冊目として参考にしてみてはどうでしょうか?