【トレーニング理論】閾値走の効果・ペース・頻度、テンポ走との違いとは

【オススメ対象者】

1.マラソンが速くなりたい人

2.トレーニングの理論が知りたい人

3.長距離のコーチを目指している人

「閾値走(いきちそう)」という言葉をきいたことはあるけれど、実際にどんな効果があって、どのくらいのペースや距離で行えばいいのか分からない…そんなランナーは多いのではないでしょうか?

閾値走は、マラソンやハーフマラソンの記録向上に直結しやすい一方で、強度設定を間違えると「ただキツいだけの練習」になりやすいトレーニングでもあります。

なんとなく速めに走っているだけでは、思うような効果は得られません。

【本記事内容】

1.閾値走で得られる効果

2.閾値走の適切なペース

3.閾値走の適切な頻度

4.閾値走とテンポ走の違いとは

初心者ランナーさんでも分かりやすく解説しています。「レース後半でも失速しにくくなりたい」「今の練習から一段階レベルアップしたい」そんな方は、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

結論

1.閾値走はギリギリ乳酸が蓄積しないペースであり、ある程度の時間(20~60分)維持出来るペース

2.閾値走の効果は乳酸の処理能力を上げて、速いペースを維持出来るようになる

3.閾値走はベテランランナーでも終わりが待ち遠しいペース

4.閾値走の頻度は週1~2回程度が目安

閾値走とは、速く走っていますがある程度の時間(20~60分程度)は維持出来るというペースです。

走るペースを上げて身体の運動負荷を上げていくと、動き続けるために筋肉内のグリコーゲンを消費するようになります。グリコーゲンを消費してエネルギーを生成する際に身体には乳酸が生まれます。乳酸が溜まると筋肉は疲弊し徐々に動かなくなっていきます。

高強度の運動で生じる乳酸もエネルギー生成として利用出来ますが、効率が悪いという特徴があります。そのため、運動の強度が上がっていくと、乳酸が処理しきれずに身体へ蓄積し、やがて疲労で動けなくなります。

閾値走は身体に乳酸が生じるものの、ギリギリ乳酸をエネルギー生成として処理が出来るペースで走るため、きついですが運動を維持出来るというわけです。

閾値走はある程度の熟練のランナーでも終わるのが待ち遠しいペースであり、きついトレーニングです。

ランニングのペースを上げて行くと血液中の乳酸濃度が高くなります。「乳酸が生じるペース」と「エネルギーとして処理ペース」が拮抗する速さで走ることを閾値走といいます。

閾値走の目的は、血中の乳酸を処理する能力を上げることと言われています。

つまり、速いペースを維持出来る能力が上がるということです。

また、長距離ランナーを対象に練習内容とパフォーマンスを分析したでは、走行距離が最もパフォーマンスと関連が強いと報告されています。閾値走はきついですが速いペースを維持出来るため、単位時間当たりの走行距離を稼ぎやすいというメリットがあります。

閾値走はVO2maxの80~86%(熟練のランナーなら88~92%)と言われています。閾値走の目安は20~60分ペースを維持出来るのかどうかということであり、もしペースを維持できないのであれば速すぎるのでペースを落とす必要があります。

実際には、多くのランナーは閾値走として20分間維持出来るペースで走っています。

【閾値走ペースの参考アプリ】

自身の走るペースを具体的な数値として示してくれるアプリとして「VDOT Calculator」というものがあります。VDOTは自己ベストのタイムを打ち込むことで自身の走るペースとトレーニング強度を示してくれる優秀なアプリです。

※Mi=マイルであり、日本人ならkmを参照して下さい。

自己ベストは10キロ走としていますが、フルマラソン・ハーフマラソン・15キロ・10キロ・1500mなど数多くの中から選択し、記録を打ち込むことで適切なペースを示してくれます。しかし、Vdot Calculatorで自己ベストを入力する際は、ハーフマラソンのタイムを使用することを推奨されているようです。

しかし、注意点として経験を積んだランナーでも正確に閾値走のペースで最初から最後まで走ることは難しいようです。そのため、一部の指導者・ランナーが閾値走と呼んでいる練習とは徐々にペースを上げて、後半に閾値走に達するという練習を行っており、本当の閾値走は一部のようです。

閾値走の頻度は基本的に週1回コンディションの良い時で週2回の頻度で行うことが推奨されています。

閾値走は疲労が溜まる強度であるため、あまり高頻度・長い距離で行うとコンディションの低下やケガに繋がる恐れがあるため、やりすぎないようにしないといけません。

閾値走とテンポ走は持久力とランニングパフォーマンスを向上させるという共通の目標があるため混同されがちですが、運動強度と目的は異なります。

閾値走の目的:乳酸閾値に近いペースで走り、身体が乳酸をより効率的に処理できるようにすること

テンポ走の目的:快適なハードペースで走り、より速いペースを長時間維持する能力を高めること

閾値走の方がテンポ走よりややペースが速く閾値走の方がキツイと感じます。

【マラソン大会で成績を残したい人へ】走るペースとトレーング効果につい

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初心者ランナー正しいフォームで走り、ダイエットを成功させる基本を解説しています。ダイエット目的としていますが、30代女性ランナーが指導を受けながら成長するストーリーを通じて、フォーム・トレーニング方法、セルフケアを学ぶことが出来ます。初フルマラソンに挑む初心者ランナーや故障に挑むランナーの事例も紹介され、特に初心者ランナー向けの内容になっています。漫画とイラストを使い、事前知識のないランナーでも分かりやすいため、最初の1冊目として参考にしてみてはどうでしょうか?